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【三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社 石山忠司様、山本憲太朗様インタビュー】「三井リンクラボ新木場1にサテライトラボを開設して新たな天然物由来の農薬開発に挑戦する」

三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社
三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社(以下、三井化学C&L)は、高品質の農業化学分野の製品とサービスでグローバルに展開する研究開発型企業です。大正時代に日本初の合成農薬の製造販売を始めるなど、日本の農薬産業の草分け的存在であり、世界の創農薬をリードする研究開発力を誇る企業です。今回は、研究開発本部バイオロジカルソリューションリサーチセンターの石山忠司様と山本憲太朗様のお二人に、現在の研究内容や新木場ラボ開設の目的、今後の展望などについて聞きました。

国内の化学・製薬企業の農薬部門3社を統合して誕生

まずは貴社の事業についてご紹介ください。

三井化学C&L・石山様:当社は「食の安全と信頼性」と「生活の質の向上」の視点から社会に貢献するグローバル企業を目指して、高品質の農業化学分野の製品とサービスをグローバルに展開する研究開発型企業です。クロップソリューション事業は、殺虫剤、除草剤、殺菌剤などの農薬関連製品の研究開発および製造販売です。また、ライフソリューション事業は、1961年にシロアリ防除事業を開始して以来、「皆様の健康で安心な生活のサポート」を合言葉に事業を展開してきました。現在は国内だけでなく、東南アジア・欧州・南米・インドなどにも拠点を設けており、世界百カ国以上で事業を展開しています。

主な製品(一部抜粋)

殺虫剤「リディア箱粒剤」「エミリアフロアブル」「ブロフレアSC」
防疫用殺虫剤「ベクトロンFL」
除草剤    「ザクサ液剤」、「サイラ」配合製品
殺菌剤「サンブラス粒剤」「トライフロアブル」「アフェットフロアブル」    
畜舎用殺虫剤   「フライダウンベイト」
防蟻剤「ミケブロック」
                    

貴社の歴史についてもお聞かせください

三井化学C&L・石山様:当社の歴史は、当社の母体のひとつである三共商店(後の三共株式会社)が、大正時代に日本初の合成農薬クロルピクリンを製造販売したことに始まり、以後約百年にわたる歴史を誇ります。現在の三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社は、三井化学株式会社、三共株式会社、Meiji Seikaファルマ株式会社の農薬事業部門の合併や整理統合を経て、2年前に誕生した新しい企業です。

三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社誕生の経緯

2003年三共株式会社よりアグロ事業部門を会社分割
三共アグロ株式会社が誕生(2007年、株式譲渡により三井化学グループに)
2009年三井化学株式会社の農業化学品事業と三共アグロ株式会社が統合
三井化学アグロ株式会社が誕生
2022年Meiji Seikaファルマ株式会社が農薬事業を分割・子会社化
三井化学アグロ株式会社が承継
2023年農業関連事業の再編を実施
社名を「三井化学クロップ&ライフソリューション」に変更

石山さんや山本さんが携わる研究分野についてお聞かせください。

三井化学C&L・山本様:我々の研究分野は、主に「天然物から農薬を創薬する」というものです。もともとMeiji Seikaファルマ株式会社は、明治製菓時代より医薬品部門と農薬部門の両方に関わる天然物ライブラリを構築してきました。のちに医薬品の世界では創薬のトレンドが変わり、天然物から医薬品候補を探索する動きは縮小してしまいますが、そのライブラリを引き継ぐとともに三共由来の菌株と合わせて、現在も創農薬の研究開発に活用しています。

天然物由来の創農薬の新たな展開のため新木場にラボを開設

貴社の研究開発体制についてご紹介ください。

三井化学C&L・山本様:当社には、農業化学研究所とバイオロジカルソリューションリサーチセンター(以下、BSRC)の二つの研究所があります。また、福岡県大牟田市の三井化学大牟田工場において、原体の工業的製造法の研究を行っています。農業化学研究所は、千葉県茂原市、滋賀県野洲市の2箇所に研究拠点を保有し、茨城県稲敷市と神奈川県小田原市にも、試験センター(試験農場)を保有しています。我々が所属するBSRCは茂原市の農業化学研究所に隣接していますが、手狭になったことから、一昨年の秋に三井リンクラボ新木場1にもラボを開設しました。こちらは、茂原市のBSRCのサテライトラボという位置付けで管理しています。

サテライトラボ開設の経緯についてお聞かせください。

三井化学C&L・山本様:当社は、合併を機に天然物に関するライブラリと研究技術を取得したことで、従来の合成農薬技術に加えて、BSRCを新設し、天然物由来の創農薬研究も開始しました。しかし、茂原市の研究所は、もともと合成農薬の研究施設であり、新しい研究を始めるには設備やスペースが十分ではないことから、新たにサテライトラボを作ることになりました。役割分担としては、茂原市のBSRCでは天然物のスクリーニングを実施し、そこで発見された有望な候補物を産生する微生物の培養と候補物の精製単離などを、サテライトラボで行います。

三井リンクラボ新木場1を選ばれた理由はなんでしょうか。

三井化学C&L・山本様:まず地理的条件として、東京・日本橋にある本社と茂原市の研究所との中間くらいの場所にあるのが理想的でした。またオープンイノベーションを推進する我々にとって、共同研究先にアクセスしやすい立地であることも要因のひとつでした。さらに研究では遺伝子組換え実験を行うことから、遺伝子組換え実験が可能な施設であることも必要条件でした。それらを踏まえて検討を重ねた結果、三井リンクラボ新木場1を新たな拠点として選択しました。

1年の準備期間を経ていよいよ本格的な創農薬研究を開始

入居してまだ1年ということですが、これまでの感想をお聞かせください。

三井化学C&L・石山様:安全管理に関する講習などが充実していますね。先日も保護具に関する講習会が行われましたが、そうした機会を利用できるのは非常に良いと思います。また茂原市の研究所のスタッフを新木場ラボに集めて、新木場ラボ内の大会議室を利用して全員参加の会議も開催しました。全員が集まる場所となると、十分な広さを確保できる場所がなかなかないのですが、新木場ラボの大会議室が利用できるので、非常に助かります。

三井リンクラボを利用して将来実現したいことはありますか?

三井化学C&L・石山様:新木場ラボに入居してまだ約1年ということで、これまでは主に環境整備を中心に進めてきました。最近ようやくその整備も終わり、本格的な実験も可能になりました。今後はさらに三井リンクラボ新木場1を利用して創農薬研究の幅を拡げて、天然物由来の創農薬を実現したいですね。

他社との協業やコラボレーションにも興味はありますか?

三井化学C&L・石山様:もともと当社の研究開発は自社内で完結するものが多く、これまでのところ他社との協業事例はあまりないのですが、今後は三井リンクラボ内の他の会社様に向けた情報発信なども利用し、何か一緒にできることがないか模索してみたいですね。

三井リンクラボでは、今後も様々なイベントを企画・運営していきますのでぜひご活用下さい。本日はありがとうございました。

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