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【C4U株式会社 平井昭光様インタビュー】「日本発のゲノム編集技術の社会実装を新木場ラボとネットワークの力で実現したい」

C4U株式会社
C4U(シーフォーユー)株式会社は、大阪大学で誕生した日本発のゲノム編集技術の実用化を目指すバイオテックです。最先端の研究成果をベースに、希少難病やがん、中枢神経疾患など、アンメットニーズの高い疾患を中心に新たな治療法の開発に挑戦しています。今回は同社の平井昭光代表取締役社長に、会社誕生の経緯や今後の展望、三井リンクラボ新木場に対する感想などをお聞きしました。

大阪大学で誕生したゲノム編集技術で新たな創薬研究に挑戦

まずは貴社の事業についてご紹介ください。

C4U平井様:当社は、真下知士(東京大学医科学研究所教授・C4U創業者)先生らが大阪大学にて発明したゲノム編集技術「CRISPR-Cas3(クリスパーキャススリー)」の実用化を目指して誕生しました。同技術の社会実装を目指した真下先生は、大学の産学連携担当に相談したところ「先生ご自身で起業した方が良いのではないか」と提案され、起業したと聞いています。現在は、希少難病や中枢神経疾患などアンメットニーズの高い疾患の新薬開発(自社パイプライン及び外部との共同開発)と、当社のゲノム編集技術を外部に提供するライセンシング事業の2軸を中心としたハイブリッド型ビジネスを展開しています。

C4U株式会社の主な事業

創薬事業・自社パイプライン
 ムコリピドーシスⅡ型/Ⅲ型
・提携パイプライン
 がん(他家CAR-T細胞療法) など
ライセンス事業・新型コロナ診断薬の共同開発提携
・細胞遺伝子改変受託業者への特許許諾
・試薬の開発販売業社への特許許諾
・植物分野における共同研究契約 など

平井様はいつから事業に関与されていたのですか?

C4U平井様:わたしは5年前に代表取締役に就任しました。起業直後は、ビジネスモデルの確立などで試行錯誤を繰り返した時期もあったようです。わたし自身も、社長就任後は今後のビジネスモデルについてかなり悩みました。そこで、まずはゲノム編集技術を用いた新薬開発を事業の中心に据えること、しかし医薬品の開発は収益を産み出すまでに長い時間を要することから、新薬開発と並行して当社のゲノム編集技術をさらに改良しつつ、外部に対して特許技術のライセンシングを行うというビジネスモデルを確立しました。

C4U株式会社の今日までの歩み

2018年大阪府豊中市にゲノム編集技術に係る研究及び開発を目的として誕生
2019年大阪府吹田市に本社を移転
2020年平井昭光氏が代表取締役社長に就任
2022年東京都目黒区に東京オフィスを開設
2024年三井リンクラボ新木場2に東京ラボを開設

貴社の基幹技術である「ゲノム編集技術」とはどういうものですか?

C4U平井様:細胞核の中には、遺伝子情報を持ったDNA=「生命の設計図」が格納されています。DNAが変化することで病気になることもあれば、逆にDNAを正確かつ安全に改変することで病気を治療することも可能です。DNAを思い通りに改変する技術を「ゲノム編集技術」といいます。具体的には、DNA配列を切除する酵素(はさみ)を用いて標的の遺伝子を意図的に切断・編集して遺伝子の機能を停止または強化します。ゲノム編集技術自体はすでにいくつか存在しており、臨床応用に向けて世界中で研究が進行しています。

貴社の「CRISPR-Cas3」は、既存の技術とどこが異なるのでしょうか?

C4U平井様:3つの点で既存のゲノム編集技術とは異なる特徴を備えています。1点目は標的となるDNA配列に対する認識性が高く、オフターゲット変異(本来狙った部位とは異なる部位に変異が生じる現象)のリスクが少ないことから、安全性の高いゲノム編集が可能です。2点目は既存の編集技術とはDNAの切断の仕組みが異なることから、数百から数千塩基という大規模欠損による効率的な編集が可能です。3点目は大阪大学より再実施許諾権付独占的実施権を付与されており、当社のライセンスを安心してご利用頂ける点です。

CRISPR-Cas3の特徴

※同社ウェブサイトより引用

ゲノム研究に適合した施設要件を備えており研究に最適

東京ラボの場所として三井リンクラボ新木場を選択した理由をお聞かせください。

C4U平井様:理由は2つあります。まずは「ライフサイエンス産業のエコシステムを日本に構築する」という三井不動産様の取り組みに対して、以前より感銘を受けていたことです。その三井不動産様が運営するラボだからこそ、信頼できると思いました。実際に見学してみて、建屋は清潔でデザインも素敵だと感じました。カフェがあってリラックスできる環境があるのも良いですね。共通機器室に高額機器が準備されているのも大変助かりました。もしこれらを自社で購入していたら、さらに数千万円単位の出費が必要だったでしょう。

また創業者である真下先生が東京大学医科学研究所に勤務されており、当社の東京オフィスを東京都目黒区に開設したこともあり、それらの場所からの交通アクセスが容易であることも必須条件でした。さらに事業の特性上、P2/BSL2対応(ヒトや動物に病原性を有する微生物やウイルスなどを扱う際の安全管理基準)に適合している必要もありました。三井リンクラボ新木場は以上の条件を満たしていることから、入居させて頂きました。

入居しているほかのテナント様との交流などはありますか?

C4U平井様:三井リンクラボ新木場には、以前から交流のある他社さんがいて、ラボの内部を拝見させて頂き、入居時に必要となる機器や室内のレイアウトの参考にさせて頂きました。我々の入居後も機器の貸し借りをさせて頂いたりと、現在も交流は続いています。

さらに「こういう施設がほしい」などのご要望などはありますか?

C4U平井様:わたしも含めて、研究員は大体みんな運動不足なんですよね。だからラボ近くのエリアに気軽に利用できて、汗を流せるジムなどがあるとありがたいですね。

新木場を舞台にライフサイエンス産業のネットワークに期待

三井リンクラボ新木場を利用して実現したいことはありますか?

C4U平井様:今後も優れた研究者の皆様に当社の研究開発に参画して頂きたいと思っています。同時に当社の事業の発展のためにも、他社様とのネットワークが不可欠となるため、新木場エリア全体にライフサイエンス産業のネットワークが誕生して、エリア全体での今後の盛り上がりにも期待しています。関東圏では、神奈川県川崎市の殿町エリアや藤沢市の湘南エリアにもネットワークが誕生しつつあります。新木場は東京都心からも非常に近いので、日本橋など他の場所とも有機的につながりながら、成長していくと良いですね。

最後に貴社の将来展望についてお聞かせください。

C4U平井様:当社としては、まずはex vivo技術(一旦体外に取り出した細胞の遺伝子を改変した上で再び体内に戻す)の開発から始めて、将来的にはin vivo技術(ウイルスなどの運び屋を介して改変遺伝子を注入して体内で直接発現させる)の開発にも挑戦する予定です。ex vivo技術の基本的な考え方(細胞移植)は、従来の造血幹細胞移植などと同じなので、これまでの医学的知見や経験が活用できます。そして、会社が成長して新たな開発にも挑戦できる体力が備われば、さらにin vivo技術の開発にもチャレンジしたいですね。

本日はありがとうございました。ちなみにジムについては、三井リンクラボ新木場3にて開設しております。三井リンクラボのご利用者であればどなたでも利用可能です
是非ご利用下さい!

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