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【イノムジェネテクス株式会社 美濃輪昇様、今村佳正様、福岡道公様インタビュー】「柏の葉を舞台に“遺伝子解析といえばイムノジェネテクス”といわれる会社を目指したい」

イノムジェネテクス株式会社
イノムジェネテクス株式会社は、東京理科大学の松島綱治教授(同社取締役)の研究室で誕生した独自の「高感度cDNA増幅技術」の社会実装を目指して設立された大学発スタートアップです。従来法よりも多くの遺伝子発現を検出できる同技術をベースに、現在は遺伝子解析受託サービス事業や診断薬事業などを展開しています。今回は、代表取締役の美濃輪昇様、執行役員研究・受託解析部長の今村佳正様、執行役員経営企画部長の福岡道公様に、現在の事業内容や柏の葉ラボ開設の目的、将来展望などについて聞きました。

東京理科大学松島研究室で生まれた技術をベースに6年前に誕生 

まずは貴社の設立経緯を教えてください

今村様:当社は、東京理科大学生命医科学研究所の松島綱治教授(現在は同社取締役も兼任)の研究室で誕生した独自の「高感度cDNA増幅法」(TAS-Seq法)の社会実装を目指して設立された大学発スタートアップです。起業は2019年6月でして、しばらくは、東京理科大学野田キャンパス内に本社を構えていましたが、業務の拡大に伴い、昨年8月に「三井リンクラボ柏の葉1」に拠点を移動しました。まだ移転して10カ月(取材当時)くらいですね。 

現在はどのような事業を展開されているのですか?

今村様:現在の主力事業は、独自のTAS-Seq法を用いたシングルセルRNAシーケンス※1や、シングルセルTCRレパトア解析※2などの様々な次世代シークエンサー受託解析サービスになります。さらに最近になって、遺伝子解析技術を応用して、薬剤感受性予測バイオマーカーの「診断薬事業」も開始しました。抗体医薬などのバイオ医薬品を中心に、高額な薬剤が次々と登場しており、投与前の段階で「本当に治療効果が期待できるのか」を確認しておきたいという需要も高まっています。そのための診断薬事業の研究開発を、まさに始めたばかりです。

※1 組織を構成する個々の細胞の遺伝子発現を調べる方法です。従来の遺伝子発現解析では、細胞集団をまとめて解析していたのに対して、シングルセルRNAシーケンスでは、組織を構成する様々な細胞の機能・活性化状態を詳細に解析できます。
※2 個体の抗原感作歴や、様々な病原体に対する個体の対応可能性を反映する「免疫記憶バーコード」です。多様な病原体に対する個体の対応可能性を反映する指標として、がん、自己免疫疾患、ワクチン応答などの研究・診断への応用が期待されています。(イムノジェネテクス株式会社:https://immunogeneteqs.com

4月には大型次世代シークエンサーも導入して「自社で作業が完結する体制を整備」

貴社独自の「強み」についてお聞かせください

今村様:当社の強みは、松島教授が開発した独自の高感度cDNA増幅法(TAS-Seq法)にあると考えています。細胞に含まれるmRNAは非常に微量であり、シーケンサーで解析するためには、増幅する必要があります。当社の技術を用いれば、より多くの遺伝子発現情報を的確に把握でき、かつスピードやコストでも優れており、これは競合他社に対する当社の優位性であると考えています。

美濃輪様:また当社は、もともと松島教授が炎症性疾患や免疫機能に関する研究を続けてきたという経緯もあって、特に免疫を担当する細胞のシングルセル解析による遺伝子解析は得意とするところです。そのため、がんに対する免疫療法や、アトピー性皮膚炎などの炎症性疾患における免疫担当細胞の解析には、強みがあると自負しています。

今村様:技術面以外の当社の特徴としては、今年4月に超高速大型次世代シーケンサーを導入して、遺伝子解析にかかるすべての作業を社内で完結する体制を整備しました。遺伝子情報は、非常に高度な個人情報に属することから、情報が外部に漏洩するリスクを減らす意味でも、今後もできる限り自社で作業が完結する体制の整備に努めて参ります。

いま大きな盛り上がりを見せる「柏の葉」に拠点を置こうと考えた

拠点として「三井リンクラボ柏の葉1」を選択した理由をお聞かせください。

今村様:もともと当社は東京理科大学発スタートアップであり、現在も大学とのつながりが大きいため、大学から近い場所に事業拠点を置きたいという希望がありました。他にも何箇所か候補地を見学しましたが、バイオ系・ライフサイエンス系企業がたくさん集積する「柏の葉地域」は、いま非常に盛り上がりを見せていること、当社は国立がん研究センター東病院ともつながりがあることから、三井リンクラボ柏の葉1に移転を決めました。

実際に入居をしてみて、どんな感想をお持ちですか?

福岡様:ラボとしての利用を前提に設計された、よくできた建物だと思います。当社は、今年4月に重量1トンを超える大型次世代シーケンサーを導入したのですが、三井リンクラボ柏の葉1には重量物に対応した大型エレベーターがあり、ラボ内の耐荷重も問題ありませんでした。天井も高く、ラボの様々な仕様に対応できると思います。

他のテナント様との交流や協業のチャンスなどはありましたか?

今村様:三井リンクラボ柏の葉1の入居企業の方からご紹介頂いたお客様とミーティングを実施したり、三井リンクラボ新木場のお客様との繋がりを通じて、新たなお問い合わせを頂いたりという事例も生まれています。三井リンクラボ柏の葉1に入居してから、少しずつ交流の幅が拡大していると感じています。

「遺伝子解析ならイムノジェネテクスだね」といわれる企業でありたい

それでは、最後に「貴社の将来展望」についてお聞かせください。

福岡様:当社は今後まだまだ成長していきたいし、事業の規模もさらに拡大したいと考えています。三井リンクラボも、今後もさらに柏の葉に新棟を建設していくと聞いておりますので、我々も、この柏の葉の地でさらに成長していきたいと考えています。

美濃輪様:先日、某経済紙を読んでいたところ、柏の葉に細胞治療薬の製造に特化した拠点ができるという記事をみつけました。細胞治療は今後重要となる治療であり、その品質管理に当社の遺伝子解析技術が貢献できる余地があるかもしれませんね。現時点では、まだどのような形になるかはわかりませんが、その可能性にも期待しています。
今村様:現在の当社の事業は、受託解析サービス事業と診断薬事業ですが、さらに今後は、当社の技術を応用して、たとえば製薬企業とともに、創薬における標的分子を探索する「創薬支援事業」にも挑戦したいと考えています。こちらについては、東京理科大学と一緒に研究補助金やグラント(競争的資金)を獲得しながら、基盤の共同研究を進めていく予定です。将来的には「第2のボストン」を目指す柏の葉の中でも、「遺伝子解析を頼むなら、イムノジェネテクスだね」といわれる存在でありたいですね。

本日はお忙しい中、我々のインタビューにご対応頂きまして、ありがとうございました。今後の皆様の事業のご成功とさらなるご発展をご祈念申し上げます。

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