【スタンダード・バイオツールズ株式会社 稲森慎一様インタビュー】「ライフサイエンス企業特有の課題をきちんと理解していて、当たり前のように対応してくれる。それこそが三井リンクラボの真の魅力だと思う」 | 入居者インタビュー一覧 | 三井のラボ&オフィス
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【スタンダード・バイオツールズ株式会社 稲森慎一様インタビュー】「ライフサイエンス企業特有の課題をきちんと理解していて、当たり前のように対応してくれる。それこそが三井リンクラボの真の魅力だと思う」

スタンダード・バイオツールズ株式会社
スタンダード・バイオツールズ株式会社は、サンフランシスコに本社を置く研究用機器・試薬販売会社です。現在は、日本橋小伝馬町にオフィスを構えるほか、三井リンクラボ葛西内にも自社ラボを開設。同社を代表する製品のひとつである、マスサイトメーター「CyTOF」を稼働させており、同社の技術力の高さを知ってもらうためのデモンストレーションの一環として、アカデミアや製薬企業を対象に受託解析サービスなどを提供しています。代表取締役社長を務める稲森氏にお話を伺いました。

1コの細胞から50種類のタンパク質を同時検出する世界最先端のマスサイトメーターを提供

まずは貴社の事業についてお聞かせください。

当社は、米国・サンフランシスコに本社を置く、研究用機器・試薬販売会社の日本支社です。研究用の分析装置と消耗品の販売およびアフターサービスが、当社のメイン事業です。当社が取り扱う分析装置には、PCRシステムを中心とした多検体・多項目分析装置と、1コの細胞から複数のタンパク質を同時に検出できるマスサイトメーター「CyTOF」があります。現在は、日本橋小伝馬町に事業所を構えるほか、三井リンクラボ葛西にもラボを開設して、実際にマスサイトメーターを稼働しています。

貴社製品は最先端の機器として知られていますが、その技術的な特徴を教えてください。

当社のマスサイトメーターは、1回の測定で50種類のタンパク質を同時検出できるという特徴を備えています。細胞に発現するタンパク質の種類とその発現状況を調べる場合、それぞれのタンパク質に特異的に結合する抗体を用いて可視化するのですが、当社の場合は50種類の金属を識別マーカーに用いることで、50種類のタンパク質の同時測定を実現しました。識別マーカーに蛍光色素を用いる従来の方法(1回の測定で10~20種類のタンパク質が検出可)と比べて、より網羅的な分析が可能です。

貴社製品はどのような場面で活用されているのでしょうか。

主な顧客は、国内のアカデミアや製薬企業などですが、最近では、がん免疫領域における研究用途などにも広く活用されています。現在主流の免疫チェックポイント阻害薬は、高い治療効果が得られる患者さんと、低い治療効果しか得られない患者さんに分かれることがわかっています。そこで、治療効果が異なる患者さんの細胞を調べて、治療効果と強く相関するタンパク質(バイオマーカー)の発現を探索する研究が世界中で進展しており、その探索に当社のマスサイトメーターが活躍しています。もし治療効果を事前に予測できるマーカーの発見につながれば、より効率的ながん免疫治療の実現が期待されます。

当社の分析装置とAIとの組み合わせで「研究者すら予期しない発見」を実現したい

三井リンクラボ葛西ではどのような活動をされているのでしょうか。

三井リンクラボ葛西では、当社の技術力を知ってもらうという観点から、「おためし」としてマスサイトメーターの受託解析サービスを提供しています。ラボ見学にも対応しており、ご来場いただければ、実際に稼働中のマスサイトメーターを見てもらい、さらにご持参いただいたサンプルで細胞分析のデモンストレーションも実施します。その点では、ショールームとしての機能も兼ねています。

今後の展望についてもお聞かせください。

まずは、三井リンクラボ葛西での活動を通じて、日本の研究者の皆様に当社の技術を身近に感じてもらう機会を提供していきたいと考えています。ラボ見学については、現在はまだ2~3カ月に1回程度ですが、今後はさらにアカデミアおよび製薬企業の皆様を三井リンクラボ葛西に招待して、彼らの実験を試してもらって、彼らの期待以上の成果が得られることを知っていただく機会を提供していきます。

将来的には、当社の機器と人工知能との組み合わせで、さらなる市場の拡大を目指したいですね。以前は、研究者があらかじめ目星をつけた分子の変化のみを観察していましたが、当社のマスサイトメーターのように、同時に何十種類もの変化が測定可能になると、研究者も予測しないような変化が生じている可能性も高く、そこにAI技術を用いることで、全ての変化をくまなく発見することが可能になります。いま世界中で、AI技術による多変量解析(複数のデータの関連性を分析して総合的な解釈を分析する手法)の開発が進行しており、今後はさらに当社の機器が活躍する場面が増えると予測しています。

三井リンクラボの特徴は「説明しなくてもラボの課題をわかってくれている」こと

三井リンクラボ葛西に自社ラボを開設した決め手はどこにありましたか?

もともと当社の拠点は日本橋小伝馬町にありますが、当初から事業所と別にラボを開設したいと考えていました。しかし、マスサイトメーターを稼働させるには排熱ダクトの設置が不可欠であること、また分析にあたって細胞を取り扱うことからも、場所はどこでも良いという訳にはいきません。そこで候補地を探しているときに、三井リンクラボ葛西の存在を知りました。三井リンクラボ葛西は、研究において何が必要か、ラボが何を必要としているかを熟知しており、当社が入居を決めるポイントとなりました。

実際にラボを開設して、どのような感想をお持ちですか?

当社のような一般的な企業とは異なる事業にも詳しく、詳しい説明をしなくてもすぐに事情を理解してもらえるのは、三井リンクラボの素晴らしい点だと思います。たとえば、感染性廃棄物の廃棄ルールなど、ラボ特有の事情にも精通していて、メールで運営スタッフに相談すると、すぐ返信を返してくれます。全て挙げるとキリがありませんが、日々の業務における様々な課題について、いつも当たり前のように対応して下さるので、当たり前のように日々の仕事に取り組めるという環境ができあがっています。

最後に今後の三井リンクラボに対する期待をお聞かせください。

より多くの人たちに、当社の活動を知ってもらえるような、イベントの企画などに期待しています。特に当社の場合、ただ分析装置を販売するだけでなく、研究者の皆様と幅広くディスカッションしたり、相互に情報を共有し合えるパートナーとしての役割を目指していきたいと考えています。そのためには、さらに多くの研究者の方々に、この三井リンクラボ葛西に足を運んでもらい、実際に機器を見てもらう必要があります。さらに、同じラボに入居する会社同士の交流会があれば、ぜひとも積極的に参加したいと思います。交流会を通じて互いの仕事を理解し合うことで、さらなる飛躍につなげていきたいですね。

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