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【株式会社Dioseve 清田弥寿成様インタビュー】「この世界は研究者の都合よりも細胞が最優先。24時間利用可能な三井リンクラボ新木場2なら安心して研究に専念できる」

株式会社Dioseve(ディオシーヴ)
株式会社Dioseve(ディオシーヴ)は、卵子様細胞の大量作成を可能にする同社独自の技術を用いて、不妊治療や遺伝病の原因究明など、これまで解決策のなかった医療課題に対する新たなソリューションの提供を目指す、新進気鋭のバイオテックベンチャーです。2021年に創業し、代表取締役を務める岸田和真氏をはじめ、総勢19名のスタッフが、事業化に向けて日々研究開発に挑戦しています。現在は、熊本大学キャンパス内に研究拠点を置くほか、三井リンクラボ新木場2に本社機能を、六本木に東京オフィス機能を開設しています。同社プリンシパルサイエンティストの清田弥寿成様に話をお伺いしました。

病気のせいで子どもが未来を諦める世界をなくしたい――岸田社長の強い想いから起業

まずは貴社の事業内容を教えてください。

当社は、取締役・最高技術責任者の浜崎(伸彦様)が開発した当社独自の細胞編集技術を用いて、不妊治療や遺伝病の原因究明など、これまで解決策のなかった医療課題に対する、新たなソリューション開発に挑戦するバイオテックベンチャーです。浜崎は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)やES細胞(胚性幹細胞)に転写因子を導入して、ダイレクトに卵子様細胞を作成するという、当時は不可能だと思われていた画期的技術の開発に成功しており、同技術をもって、代表取締役の岸田(和真様)と2人で当社を設立しました。現在は、卵子様細胞の大量製造および卵母細胞を取り巻く支持細胞の作成を並行して進めています。

貴社の事業の出発点についてもお聞かせ下さい。

もともとは、当社の岸田が、生まれながらにC型肝炎を患っていたという経験に遡ります。感染当時はまだ有効な治療薬もなくて、新薬の登場を待ち望む日々を送りましたが、後に米国で新薬が登場したことで、岸田自身は治療に成功しました。ただ、病気のせいで、子どもの頃からの夢であった、パイロットの道は断念したそうです。岸田自身は研究者ではありませんが、米国で生殖細胞の研究をしていた浜崎と出会って、彼の技術を社会実装することで、生まれながらの病気のせいで、子どもたちが自分の夢を断念せざるを得ないような世界をなくしたいという想いから、起業に挑戦しました。

清田さんはなぜディオシーヴに入社されたのですか?

もともとわたしも研究者で、アカデミアでは生殖細胞の研究で博士号を取得しています。ちょうどその頃、日本の有名な生殖細胞の研究者のもとで研究していた人が、新たに独立渡米することになり、わたしも彼と共に米国の研究機関に移籍。インビトロ(試験管内)環境における配偶子形成の研究に取り組みました。その後、米国での研究者生活も3年を過ぎて、さてこれからどうしようか?と考えていた頃、同じく生殖細胞の研究者である浜崎が、独自の生殖細胞技術をもって起業するとの話をたまたま耳にしました。そこで「これは是非挑戦したい」と研究職に応募したところ、トントン拍子に採用に至りました。

iPS細胞から生殖細胞をダイレクトに作成する技術が、貴社の独自技術の部分ですか?

その通りです。マウスは成熟までの期間が短く、生後約4週間で生殖可能齢に達します。だからこそ、インビトロ(試験管内)でも短期間で卵子様細胞の作成が可能です。一方で人間は、卵子を産生できる年齢になるまで、十数年を要します。したがって、インビボ(生体内)の過程を再現していたのでは、細胞製造に時間がかかりすぎるし、不妊治療を受けたいと考えている患者さんたちは、そんなに長い年月は待てません。当社独自の技術を用いれば、製造期間を短縮して大量の卵子様細胞の作成を可能にします。

三井リンクラボ内での交流イベントにも期待「いまから大変楽しみにしている」

三井リンクラボ新木場2との出会いについてお聞かせ下さい。

これはわたしが岸田から聞いた話ですが、もともと候補施設が複数あった中で、岸田が三井リンクラボ新木場2を見学させて頂いた際に、ほれ込んで、入居を決めたと聞いています。新木場に決めた理由は、交通アクセスの良さでした。当社の場合は、外部の研究機関で、一部の高額な実験機器を借りているため、アクセス環境は非常に重要でした。

実際に新木場に自社ラボを開設してみて、いまどのような感想をお持ちですか?

細胞に関する実験は、ほぼ新木場ラボで担当していますが、とても便利ですね。特に土日・祝日にかかわらず、終日入退室自由という点は、非常に重宝しています。わたしたちの仕事は、人間側ではなく、細胞側のスケジュールに合わせて仕事する必要がありますからね。会議室も広くて使い勝手も良く、眺望も素晴らしいので、よく利用します。もっとも、事業が順調に進展しており、研究者の数も増えてきたことから、最近は少し手狭になってきました。いまは岸田とも相談し、ラボの規模拡大も検討しています。手狭になってきた際にも拡大しやすく、引越しをしなくて良いというのも三井リンクラボのメリットです。

ありがとうございました。最後に「三井リンクラボに対する期待」をお聞かせ下さい。

現在当社では、一部の高額実験機器を外部の研究機関で利用させてもらっているので、これらの機器もラボ内の共通実験機器として利用可能になるとありがたい。さらに交流イベントなどの情報交換の機会があると嬉しいですね。わたしはずっとアカデミアで研究をしてきたのですが、アカデミアでは隣接する研究室に気軽に訪問して情報共有したり、試薬を拝借(笑)するのが日常茶飯事でした。三井リンクラボでも、同様に入居者同士の交流にも期待をしています。特に自分達と全く異なる分野の人たちと話して、彼らが何を必要としているかを知る機会があると、すごく良いですね。そのような交流イベントを三井不動産とLINK-J共催で実施予定とお聞きして大変楽しみにしています。

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