【株式会社チューニングフォーク・バイオ・ジャパン 引地裕一様、亀岡丈晃様、國枝恒兵様、藤原恵理様インタビュー】「三井リンクラボ新木場2は交通アクセスに優れ、眺望も良く、すぐに実験を開始できる。ここから当社の抗体プロファイリング技術を世界の人々に届けたい」 | 入居者インタビュー一覧 | 三井のラボ&オフィス
入居者インタビュー
Interview

ホーム > 入居者インタビュー一覧 > 【株式会社チューニングフォーク・バイオ・ジャパン 引地裕一様、亀岡丈晃様、國枝恒兵様、藤原恵理様インタビュー】「三井リンクラボ新木場2は交通アクセスに優れ、眺望も良く、すぐに実験を開始できる。ここから当社の抗体プロファイリング技術を世界の人々に届けたい」

【株式会社チューニングフォーク・バイオ・ジャパン 引地裕一様、亀岡丈晃様、國枝恒兵様、藤原恵理様インタビュー】「三井リンクラボ新木場2は交通アクセスに優れ、眺望も良く、すぐに実験を開始できる。ここから当社の抗体プロファイリング技術を世界の人々に届けたい」

株式会社チューニングフォーク・バイオ・ジャパン
株式会社チューニングフォーク・バイオ・ジャパンは、福島県立医科大学との共同研究から誕生した「抗体プロファイリング技術」を用いて、未病段階での早期診断や個別化医療の実現などを目指すバイオテック企業です。ヤマハ発動機の医療・健康部門から誕生した同社は、現在はアメリカと新木場にそれぞれ本社を構えて、事業を展開しています。今回は代表取締役を務める引地裕一様をはじめ4人の皆様に、同社誕生の経緯や今後の事業展望などについてお聞きしました。

会社名は「音叉(チューニングフォーク)」に由来

まずは貴社の概要について教えてください。

チューニングフォーク・バイオ引地様:当社は、ヤマハ発動機株式会社の医療・健康部門を担う新会社として米国に設立された「チューニングフォーク・バイオ」社の日本法人です。福島県立医科大学との共同研究から誕生した「抗体プロファイリング技術」を用いて、疾患の早期診断や個別化医療の実現に必要となるシステムの構築を目指しています。具体的には、血液や唾液に含まれる抗体を網羅的にプロファイリングし、その中から将来の疾患リスクや治療効果の予測につながるバイオマーカーを見つけて、早期診断や個別化医療に利用します。

当社の「抗体プロファイリング技術」は、福島医科大学で誕生した「タンパク質マイクロアレイ」技術と、ヤマハ独自の生命情報科学技術との組み合わせによって誕生しました。前者の技術で血液中の複数の抗体データを測定すると、後者の技術で特にバイオマーカーに適した抗体を選び出し、疾患の診断などに利用します。疾患領域としては、アンメットメディカルニーズが高いがんと中枢神経系疾患に着目し、現在は同領域での研究開発に挑戦中です。

貴社の技術の特徴についてお聞かせください。

チューニングフォーク・バイオ引地様:体内の状態を教えてくれるバイオマーカーの探索研究は世界中で進んでおり、遺伝子から代謝物まで種々のバイオマーカーが利用されていますが、当社の場合は、タンパク質の1種である「抗体」を利用します。バイオマーカーに抗体を用いる利点は、現在の健康状態だけでなく、過去の病気や将来かかる病気の可能性まで把握できる点にあります。また、母体であるヤマハ発動機がデータサイエンスを得意としており、データ解析に人工知能を用いたりと、同社の技術を活用できる点も、我々の強みだといえます。

社名の由来についてもお聞かせください。

チューニングフォーク・バイオ引地様:社名のチューニングフォークとは「音叉(楽器の調律に用いる器具)」のことです。ヤマハは、もともと楽器製造会社として誕生したことから、後に独立した発動機部門(ヤマハ発動機)のロゴにも音叉がデザインされています。そこで当社としては、ヤマハの精神を受け継ぐ意味でも、また抗体プロファイリングという技術を用いて、人々の健康を「調律」するという思いを込めて、チューニングフォーク・バイオと命名しました。

なぜヤマハ発動機から医療技術の会社が誕生したのでしょうか?

チューニングフォーク・バイオ引地様:ヤマハ発動機の本業はバイクなどですが、細胞培養作業に用いるハンドリング装置「セルハンドラー」を独自に開発するなど、実は以前から医療・健康領域でも事業を展開していました。福島県立医科大学との共同研究も、「セルハンドラー」が縁となり、最初は同装置を活用するためのアプリケーション開発から始まりました。その後、さらに同大発のマイクロアレイ技術と掛け合わせれば、新たなイノベーションが誕生するのではないかというアイデアが生まれ、本格的に事業化に挑戦するため、当社が誕生しました。

共通機器室があるからすぐにでも実験ができる

三井リンクラボ新木場2に入居されたきっかけを教えてください。

チューニングフォーク・バイオ引地様:当社設立にあたっては、当初より首都圏に本社を置くことを決めていました。ヤマハ発動機の本社は静岡県磐田市にあるのですが、ヘルスケア人材の確保やネットワークの構築という点では、不利である点は否めません。そこで首都圏に場所を求め、最終的に三井リンクラボ新木場2に入居しました。理由としては、スタートアップ専用区画があること、共通機器室があること、交通アクセスが優れていることが挙げられます。

実際に入居してみて感じた「ラボの利点」があれば教えてください。

チューニングフォーク・バイオ國枝様:共通機器室を利用できるのは、大変ありがたいですね。自社で必要な実験器具や検出器などを全て自前で用意するとなると、なかなか大変です。その点、新木場ラボであれば、入居してすぐに実験を開始できます。また我々にとっても、新たに研究室をひとつ立ち上げるという作業は初めての経験だけに、諸般の手続きなどでは、三井リンクラボの皆様にも様々な面でサポートして頂きました。これも非常に助かりました。

チューニングフォーク・バイオ藤原様:新築だけに建屋自体も非常にきれいで、特にコミュニケーションラウンジの居心地はとても良いですね。実験や仕事の合間にラウンジに行って休憩すると、すごく良い気分転換になって「また午後から頑張ろう!」という気持ちになれます。

チューニングフォーク・バイオ亀岡様:建屋内の施設も充実していますね。新木場という場所柄、駅前以外で食事できる場所は多くないのですが、建屋内にはカフェがあってランチも用意されているので、館内で気軽に食事ができます。ラウンジからの眺望も良く、晴れた日は外の景色を楽しみながら食事をとります。無人コンビニもあるので、夜間はそちらも利用します。

福島発の技術を世界のヘルスケア業界に届けたい

今後の展開についてもお聞かせください。

チューニングフォーク・バイオ引地様:タンパク質マイクロアレイ技術を用いた受託解析サービスについては、年内には提供を開始する予定です。さらに将来的には、発見したバイオマーカー自体を商品化するという方向性も考えています。こちらについても、すでに日本医療研究開発機構からも「革新的医療技術研究開発推進事業(産学官共同型)」に採択されており、今後はさらに技術を深化させていく予定です。

交流会などのイベントなどには参加されていますか?

チューニングフォーク・バイオ亀岡様:実は昨年度はラボの立ち上げ等で多忙だったこともあって、あまり交流会などには参加できませんでした。今年度からは、ぜひとも参加させて頂きたいと思います。

チューニングフォーク・バイオ引地様:ぜひ参加したいですね。実は以前にも、新木場ラボのカフェテリアで、かつて上司だった人とたまたま再会するという出来事がありました。久しぶりに話をして、彼も新木場ラボ内のスタートアップに在籍していることを知りました。こうした出会いを引き金に、人と人をつなぐネットワークが拡大していくことにも期待しています。

最後に今後の目標や展望をお聞かせください。

チューニングフォーク・バイオ引地様:将来の夢は「当社の抗体プロファイリング技術を、世界の人々に届けること」です。当社は、東日本大震災の復興支援プロジェクト「福島医薬品関連産業支援拠点化事業(福島事業)」から誕生した会社であり、福島県立医科大学発ベンチャーの称号も頂いています。復興にかける皆様の期待に応えるためにも、「福島から誕生した新たな技術を、世界のヘルスケア産業に届ける」という思いで、今後も頑張りたいですね。

一覧へ戻る

Contact

パンフレット形式の資料をお求めの方

資料請求

内覧や賃料などについて知りたい方

お問い合わせ