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【シスメックス株式会社 内藤克紀様、松田厚志様、榮田佳那子様インタビュー】「新木場ラボは関東圏のプレイヤーと将来的にはグローバルのプレイヤーとのオープンイノベーションを生み出すハブになる」

シスメックス株式会社
シスメックス株式会社は、臨床検査機器、検査用試薬および関連ソフトの開発・製造販売および輸出入を主な事業とする会社です。血液検査機器から始まり、がん遺伝子パネル検査、新型コロナ抗体検査、脳内アミロイドβの蓄積状態を調べる検査試薬、医療用検査機器、手術支援ロボットなど、現在ではヘルスケア全般に事業を拡大しています。今回は、同社の内藤克紀様、松田厚志様、榮田佳那子様の御三方に、東京進出の経緯、今後の展望などをお伺いしました。

血液検査からがん遺伝子検査、手術支援ロボットまで様々な事業を展開

まずは貴社の歴史と事業について教えてください。

シスメックス内藤様:当社の源流は、拡声装置のトップ企業であった東亞特殊電気株式会社に遡ります。当時の副社長の中谷太郎が、新規事業のヒントを求めて海外視察を実施。米国でヘルスケア機器産業が盛んであることを知ると、これを新規事業の中心にしようと決断し、社内に医用機器開発の研究室を立ち上げます。最初に開発した製品は、自動血球計数装置でした。その後も、医用機器部門は順調に成長を続け、1968年には「東亞医用電子株式会社」として独立。後に社名を「シスメックス株式会社」に改称して、現在に至ります。

シスメックス松田様:当社の事業領域は、血液検査領域を中心に、免疫検査や血液凝固検査、さらにがん遺伝子パネル検査などの遺伝子検査の世界にも、事業領域を拡大しています。また、産業用ロボットのリーディングカンパニーである川崎重工業株式会社と「株式会社メディカロイド」を共同で設立。いまは外資系企業による寡占状態にある手術支援ロボットの開発に挑戦するなど、臨床検査から治療技術まで、幅広いヘルスケア事業に挑戦中です。

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株式会社メディカロイドが開発・製造・販売を行う手術支援ロボット「hinotori サージカルロボットシステム」

関東圏のヘルスケアプレイヤーとの連携を目指して新木場ラボを開設

三井リンクラボ新木場2に入居したきっかけは何ですか?

シスメックス内藤様:当社のメインの研究開発拠点は本社と同じ兵庫県神戸市にあり、神戸大学や川崎重工業株式会社など、関西に拠点を置くプレイヤーとのオープンイノベーションを推進してきましたが、さらに今後は、関東圏で活躍するアカデミアや医療機関、スタートアップとのオープンイノベーションも実現したいと考え、東京都内に交流拠点の場所を探していました。そこで、新たに三井リンクラボ新木場2に、当社ラボ「Healthcare Science Hub Tokyo」(略称:HCST)を開設する運びとなりました。

HCSTは、関東圏の様々なパートナーとの連携の加速を目指して、設立されました。当社ラボは、医療ビッグデータや臨床データなどを安全に扱うことができる環境に加えて、ウェットラボ(血液や細胞などのサンプルを活用した研究、装置・薬品を実際に使用した研究)の機能も完備。外部のパートナーとの連携を促進するため、コミュニケーションエリアやコラボレーションラボなども用意しました。

「三井リンクラボ新木場2」を新拠点に選んだ理由は?

シスメックス内藤様:三井リンクラボ新木場2は、東京駅からの交通アクセスが良好であるなど、立地条件が優れていること、三井リンクラボにはベンチャーから大企業まで多種多様なプレイヤーが入居していることが、決め手でした。タイミング的にもちょうど良い時期で、我々が三井リンクラボ新木場2を見学した当時は、まだ竣工前でしたが、ご担当者に「いまなら好きな部屋を選べますよ」といわれて、東京ディズニーランドの花火が見える部屋を選べたのも好ポイントでした(笑)。

実際に入居してみた感想もお聞かせください。

シスメックス榮田様:館内設備は充実しており、広さも十分にあって、実験なども不自由なく進められる環境が整備されています。個人的には、疲れた時に会議室から見る景色がとても好きで、こうした要素も日々の研究意欲に大きく貢献しています。欲をいえば、すでに共通機器室はあるのですが、さらに踏み込んで「非常に高価だけど、使用頻度はそれほど高くないような機器」も導入してもらい、それが安価な料金で利用可能だとありがたいですね。

シスメックス内藤様:たしかに共用機器の存在は重要ですね。当社の規模だと、必要な機器はある程度は自社で購入できますが、共焦点顕微鏡や核磁気共鳴装置となると、さすがに簡単には用意できません。まして発足したばかりのスタートアップにとってはなおさらです。これらの機器が共用できるシステムが整えば、さらに魅力的な施設になると思います。

外部との連携を通じてより良いヘルスケアジャーニーの実現を目指す

三井リンクラボ新木場2に入居する会社同士の交流はありますか?

シスメックス内藤様:三井リンクラボでは、3カ月に1回の頻度で交流会があるので、そこで様々な会社の方と顔合わせをしています。見学を希望される会社には、ラボ内部も案内しています。ある会社のご担当者様は、当社ラボ見学後「ぜひ我が社も同じようなラボを作りたい」と意気込まれていました。「完成したら、我々にも見せてくださいね」と約束しています。具体的なコラボレーションはこれからですが、すでに様々な交流が誕生しています。

三井リンクラボ新木場2で、将来実現したい未来をお聞かせください。

シスメックス内藤様:当社の新木場ラボは、関東圏内の様々なパートナーとの連携を担うハブとして誕生しました。昨年に開設したばかりですが、しっかりと結果を出していくことに注力していきます。新木場ラボは、羽田空港や成田空港といった国際空港とも距離的に近いので、将来的には日本国内のパートナーだけでなく、海外のパートナーと当社を結ぶハブとしての役割にも期待しています。

当社は「より良いヘルスケアジャーニーを、ともに。」という長期ビジョンのもと、未病の段階から、発症を経て疾患に対する治療および治療後の生活まで、多くの患者さんたちが歩む道のりを「ヘルスケアジャーニー」と捉えて、この道程をより良いものに変えるための技術開発に挑戦しています。その実現には様々なパートナーとの連携、すなわちオープンイノベーションが必要不可欠です。新木場ラボは、オープンイノベーション実現に向けて、今後も様々なパートナーとの交流を続けて参ります。

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